神戸在住(10) (アフタヌーンKC)

神戸在住(10) <完> (アフタヌーンKC)

神戸在住(10) <完> (アフタヌーンKC)

本誌終了からなんでこんなに時間がかかるのかと疑問だったが新たに5編の書きおろしが収録されているということで納得。

まず最初にハンカチを手にすることをおすすめしておこう。7巻の続きが描かれているからといえばご理解いただけるだろう。あの時うやむやのままになっていた出来事の全てがこの巻で明らかになる。鈴木さんとのシーンは涙なしには読めない。オレは泣いた。

いよいよ最終巻。10年前に始まった物語もついに完結。物語の前半は英研部室を活動の場として東京から引っ越してきた主人公からみた神戸と震災についての話をからめた話がメインだったが、後半は日和さんや家族の話が中心で場も美術科のゼミが中心となってくる。9巻以降は桂の就職活動を通じて将来について考え成長していく主人公の様子も描かれていく。神戸在住10巻は「あたり前の日常」の中にある出会いと別れの巻だ。

時にこのお話。作者である木村紺をモデルとした半実話だとずっと思って読んでいたがそうではないらしい。架空の建物もあれば実は作者は男という噂も。それにしても登場人物の性格付けがリアルすぎるし話との繋がりも見事。これがフィクションなのであればかなり以前から登場人物達のキャラクター設定が練り込まれていたことになる。誰かしらの身近なモデルはいるんではないだろうか。