ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて ★★★★

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

最初に断っておくとこれはMBAの本ではありません。1976年生まれという自分と同い年でありながら2006年にハーバードビジネススクールを成績上位5%という成績で卒業した超優秀な人物の、日々の生活の記録であり様々な物事に対する彼なりの見方を収めたものです。同年齢のエリートがどういった物事の考え方をしているのか知りたくて読んでみました。

まずおそらくは超優秀であるはずなのに全然インテリくささがない。一般人と脳の構造に大きな違いがあるわけでなく、ささやかだけど一般人が意外としていない習慣をキチッと身につけ実践していることで結果こうなりましたよっという嫌みのない親近感があります。その習慣がなにかというと「身の回りの様々な物事にたいして自分なりの解釈を持ちその裏付けを得る」ということに他ならない。

この本の中にもpriciple(信念、原則)という言葉が何度も登場します。物事を深く理解・解釈し自分なりの結論をまず持つ、そしてその通りに行動する。新たな出来事が起きても過去に気付いた信念、原則に基づいて判断する。新しい意見があれば自分との差異をとり、なぜその違いが生まれるのかまた考える。そういう事を何年も習慣化して繰り返していくことで確固たる自分というものを得ている気がします。

全6章構成ですがぜひ5章、6章を読んでもらいたい。5章は「企業はなんのために存在するのか」6章は「ワークライフバランス」について書かれています。どちらも30歳の自分にとってはこれまでのまたこれからの人生のあり方について深く考えさせられるものでした。今の仕事・会社に不満を持っているのであればこの2章だけでも読む価値は十分にあります。