知るということ

春の情報処理試験や来月のパパ力検定受検に向けて日々勉強をしている。そんななか知るということと理解するということのギャップについて考えたのでここに書き留めておこうと思う。そして一般的に試験というものが仕事の役に立たないと思われている原因についても自分なりに考えてみた。

さてまずはパパ力検定の問題集から問題をだしてみよう。

Q26. 【離乳食2】

1歳未満児の離乳食に不適切とされている食材と、それに含まれる可能性のある菌の組み合わせは次のうちどれでしょうか?

  <食材>    <菌>
1.はちみつ ... ボツリヌス菌
2.チーズ  ... サルモネラ菌
3.ヨーグルト... ビフィズス菌
4.プルーン ... 黄色ブドウ球菌

答えられた方はいるだろうか?答えは「1.はちみつ の ボツリヌス菌」だ。はちみつが良くないってのは長男が生まれて妻に教わるまで知らなかった。なぜ良くないのかはこの問題を読むまで知らなかった。

さてこの問題集内容は多岐におよび知らなかったことも多い。

  • 妊娠・出産・乳幼児 編
  • 制度・子育て支援 編
  • 芸能・文化・週刊 編
  • 家族・子育て事情 編

これらの分野について200問の問題が収録されている。一日10〜20問のペースで回答していえば10〜20日、だいたい一ヶ月もあれば一通りの問題は覚えられると思うし答えも覚えるだろう。

それでは次の問題。

はちみつにはある菌が含まれる可能性があるため1歳未満児の離乳食に不適切とされている。さてその菌とはなんでしょうか?

前述の回答に戻らずに答えられただろうか?答えはもちろん「ボツリヌス菌」だ。このボツリヌス菌を今日初めて知った人でも最初の形式であれば数日たっても正解できるだろうが、数日後に2番目の問題形式のように誰かに聞かれてもおそらく答えられないだろう。

これは選択式の場合は瞬間的に問題と答えの組み合わせを内容でなく「イメージ」で覚えしまえるためだと考えている。難しい漢字は読めるけど書けないことに似ている。

最後にもう一つ問題をだそう。

ボツリヌス菌について説明せよ。

現時点での模範解答は最初の問題文になる。つまり「はちみつに含まれる可能性のある菌であり、そのためはちみつは1歳未満児の離乳食に不適切な食材とされている」。この問題が解けて始めて乳幼児とはちみつの関係について「理解した」といえるのではないだろうか。

そして情報処理が役にたたないといわれる原因はここにあると思う。午前試験など選択肢から選んで回答する形式では数日で忘れてしまうようなことでも瞬間的に答えを記憶することが可能だからだ。まるでページの問題と解答をまるごと記憶するかのように。

だから改めて選択式のような聞き方をされれば「あ〜それ知ってます」となるのだろうが「知って」いてるだけで自ら答えられない(2つ目の問題形式)。そして「理解」していないので応用がきかない(3つ目の問題形式)。

いや情報処理の試験が無意味なわけではない。それを学ぶ自分たちのやり方に問題があると考えるべきだろう。過去問題をやった、答えた、何問あっていた、終わりでなく、なぜその選択肢を選んだのか?なぜ間違ったのか?他の選択肢はなぜ違うのか?まで考えて理解するという行動が一歩先行く学習方法ではないだろうか。情報処理試験は結果が重要なのではない課程が大事なのだ。